大判例

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東京高等裁判所 昭和55年(う)2278号 判決

被告人 中村建造

〔抄 録〕

職権をもって調査するに、原審が取り調べた前科調書によると、被告人には、(1) 昭和三四年一一月九日詐欺罪により懲役二年に、(2) 昭和三七年三月三一日詐欺罪により懲役二年に、(3) 昭和四二年六月二一日詐欺罪により懲役三年に、各処せられた前科があり、右(3)の刑については、昭和四五年三月二〇日同刑の執行を受け終ったことが認められるところ、原判決が認定した罪となるべき事実第一、第二の各犯行の年月日は、第一につき、昭和四九年五月一七日ころから同年六月四日にかけて、同じく第二につき、同年六月一五日から同年七月一七日にかけてであるから、いずれも、右(3)の前科との関係で再犯に該当することが明らかである。しかるに、右(3)の前科に関する事実を全く判示せず、法令の適用においても、再犯加重の法条を適用しなかった原判決には、刑の加重理由となる前科に関する事実誤認、ひいて、法令適用の誤りがあるものといわなければならず、この事実誤認、法令適用の誤りは、判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、この点において、原判決は破棄を免れない。

(船田 櫛渕 門馬)

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